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企画モノ
『てるてる坊主』~藤堂平助編~

ここ数日は雨が続き隊士たちは稽古もできずにずっと暇していた。
この二人も例外ではない。

「ヒマだねー」
「だなー」
「お茶でも飲もうかな…」
「あっ俺も!」
「りょうかーい」

は勝手場にお茶を汲みに行った。
ついでに棚にお菓子を見つけお茶と一緒に持って行った。

「おまたせー。お茶菓子もあるよー」
「お!気が利く!!」

二人はお茶を飲みながら話していた。

「何する?」
「うぅーん…なんか面白れーことしてーよな」
「そうだねー…」

「あっ!てるてる坊主作らない??」
「てるてる坊主?」
「そう♪」
「いいじゃん!風流もあるし面白そう!作ろうぜ!!」
「じゃあさっさとお茶飲んで材料集めよう!!」

二人はお茶を大急ぎで飲んで材料を集めに行った。

「あー…さっきのお茶、すげぇ咽た…」
「私もー…喉がまだ異物感あるし」
「なぁ、材料どうする?」
「土方さんとか書き損じた書類いっぱい持ってそうじゃない?」
「そうだな!貰いに行くか!!」
「うん!!」

二人で土方の部屋へと向かうことにした。

「土方さーん。いらない紙ってない?」
「ないー?」
「なんだよ、二人して…。紙ならあるが…なにに使うんだ?」
「「てるてる坊主」」
「は…?」
「だからーてるてる坊主だってば!」
「…なんでそんな餓鬼みてぇな真似すんだよ」
「ヒマなんだもん。」
「土方さん紙くれよー」
「くれよー」
「あぁわかった、わかった!!その辺に置いてあるのは書き損じだからいくらでも持って行け!!」
「わーい!ありがとー」

二人は紙を貰うともといた部屋に戻っていった。

「ねーねーせっかくだから色んな大きさのを作ってお裾分けしない?」
「いいじゃん、それ!」

二人でせっせとてるてる坊主を作っていた。

「これだけあればいいんじゃない?」
「そうだな!こんだけあれば充分だ!!」

そう言って完成したのは作り始めてから一刻ほどたってからだった。

「さすがに作りすぎた…?」
「まぁ良いんじゃねえの?あっても困ることねえじゃん!」
「ありすぎたら邪魔になるよ」
「…だな。」
「まぁとりあえずみんなに配ろうぜ!!」
「うん」

二人はいろんな人にてるてる坊主を配った。

「結構余ったねー」
「そうだなー。…広間に並んで全部釣るしとこうぜ!」
「うん。……平助君、あのさ」
「ん?どうした?」
「これ見て!」
「?」
「平助てるてる」
「え!!これ作ったの?」
「うん、あげるね」
「マジ!嬉しーありがとな!!…実はさ、俺も作ったんだよね。てるてる。」
「わ!!ありがとー♪嬉しい!!」
「喜んでもらえてよかった。……でも同じこと考えてたんだな、俺たち」
「そうだね!」

二人はなんとなくくすぐったくて顔を見合わせて笑いあった。


そのご二人で広間に大量に余ったてるてる坊主を釣るし、しばらくはてるてる坊主がぶら下がり続けていたという。

二人の部屋にもお互いのてるてる坊主がぶら下がっている。


――END――

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