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悲恋/死ネタ/現パロ/総司落ち
「いらっしゃいませ」
「おひとり様ですか?」
「はい。」
「こちらへどうぞ」

案内された席は陽のあたるとても気持ちがいい席だった。

「注文いい?」
「はい」
「コーヒーひとつ。」
「かしこまりました!少々お待ちください」

君の笑顔が輝いて見えて僕にはすこし眩しかった。

「お待たせしました。」
「ねぇ君さ、今日は何時に終わるの?」
「え?」
「よかったら僕とどっか行かない?」
「え!!」

僕がそう言うと君はもじもじと恥ずかしそうに俯いてしまった。

「え…でも。会ったばかりですし…。名前も知らないし…今日は約束があるので…。ごめんなさい」
「そっか。約束があるならいいけどさ。…あ、僕は沖田総司って言うんだ。君の名前教えてくれる?」
「あっ…です」
ちゃんか…よろしくね」
「えっ…!よっ!よろしくお願いします!」

それからすぐに土方さんに見つかって病院に連れ戻された。
帰り際にちゃんと目が合って手を振ったら周りをキョロキョロした後に手を振りかえしてくれた。

…まったく、誰に振ったと思ったんだろうね。
君しかいないのに。

そんな姿も可愛くて仕方なかった。

「総司!!聞いてんのか!」
「はいはい、聞いていますよ。土方さんの趣味がなかなか上達しないんですよね」
「てめぇ!!やっぱり聞いてねえじゃねえか!!」
「土方さん、ここは病院ですよ。静かにしてください」
「総司…!!」

それからしばらく土方さんのお説教は続いた。
その間もずっとちゃんのことが忘れられなくて考えていた。
また、会いに行きたいな。

僕はこの容姿のお陰で今までそんなに女の子に困ることはなかったし、自分から惹かれることもなかった。

それなのに…なんだろう今回は。
君をすごく愛おしいと思うんだ。

こういうのを…恋っていうのかな。

今日出会ったばっかりなのにね。

土方さんのお説教もようやく終わって僕は明日以降の計画を練った。

とりあえず土方さんの目を盗みさえすれば病院を抜け出せることが今日わかった。
じゃあ土方さんがいないタイミングを狙えばいい。
それからあのカフェでちゃんに会いに行こう。

…本当はもっと堂々と会いに行きたい。
ばれるんじゃないかなんて思いながら会いに行くのは嫌だ。

早く治療に専念して病気を治すべきなのかもしれない。
でも、心臓に病気を抱えていると告げられた僕の体には心臓移植が必要らしい。
ドナーなんてそう簡単に見つからないし。

それだったら今を精いっぱい楽しく生きるべきなんじゃないか。
それとも治るかわからないけど希望をかけて治療に専念する。

答えは決まっている。
今を精いっぱい生きる。
自分の好きなように生きたい。
病気に縛られる人生なんて僕は嫌だ。

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