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企画モノ
『あなたの隣を歩きたい!!』~土方歳三編~


今日のはいつになく嬉しそうに上機嫌だった。
なんたって彼女は明日、恋仲である土方と久しぶりに出かけることができるのだ。
土方は常に忙しく書類の作成に明け暮れているが、近藤の取り計らいで、非番を取ることになったのだ。
そして、その日に名前と出かけることを土方は約束した。

はその晩は翌日が楽しみでなかなか眠りにつけなかった。


――――翌朝――――

屯所の玄関にて、幹部が総出で二人を見送っていた。

「じゃあな。気をつけろよ」
「楽しんで来いよな!!こんな機会、滅多にねぇんだし!!」
「まぁ、迷子にならないといいね」
、あまり副長に迷惑をかけないようにな。」

思い思いの言葉をそれぞれが掛けていく。
皆やはりが心配なのだろう。斉藤に至ってはまるで親のような言葉だ。
普段、土方に構ってもらえないのを我慢して気丈に振る舞う彼女に楽しんで来てもらいたいのだ。

「大丈夫だよー。行ってくるねー」


は元気よく出かけて行った。

――――京の市中――――

2人は和やかに歩いていた。
…が、どうも構図がおかしい。

名前は土方の5歩ほど後ろを歩いている。

「おい、なんでそんな後ろを歩いていやがる?」
「そっ!!そんなことないですよ!!全然普通だもん!!」

おかしい。
土方はそんなことを感じていた。

「そんな後ろじゃはぐれちまうぞ。隣に来い。」
「いっ!!いや!!」

土方の誘いを思いっきり振った。
土方の眉間にしわがよる。

「はぐれちまうぞ。いいから来い」
「嫌ですー」
「てめぇ…」
「あっ!!じゃあこうしよう!!」

は土方の手首に紐をつけた。

「これではぐれないよ!!さぁ進んで!!」
「っ!!これじゃあまるで犬の散歩だろうが!!」
「そんなことないもん!!似合ってるよ!!」
「だれが紐つけて歩くのが似合うんだよ!!」

の行動と言葉に土方は怒り出した。
土方は後ろを向いて今来た道を引き返そうとした。

「どこ行くの!?」
「帰るんだよ!!やってられっか!!」
「待って!!」
「てめぇが悪いんだろう。人の手に紐なんかつけやがって。」
「違うの!!」
「何がだよ?」
「…ちゃんと理由を言うから聞いて」

は理由を話した。

“街で土方がたくさんの町娘に見られていて、こんなカッコイイ人の隣に自分がいるのは似合っていないのではないか”と。

土方は少し口元を緩ませて言った。

「そんなことを考えてたのか?」
「…うん。」
「んなこと気にすんな。誰が何と言おうと俺の隣にはがいるのが1番似合ってるんだ。人の目なんざ気にする必要はねぇさ」

土方はそう言うとの手を取り歩き始めた。
その顔はさっきまでとは一変。満足げに微笑んでいた。

「ちょっ!!あの、土方さん!?」
「せっかくの非番だ。、お前の好きなところに行くぞ」
「っ!!…はい!!」

それから土方とは京の街を存分に楽しんだ。
2人、仲良く手をつなぎながら…。


――END――

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