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第二話
私は今日も井吹龍之介こと龍ちゃんと雑用をしていた。
彼は上洛の途中で、芹沢さんが拾ったのだ。

「龍ちゃーん。洗濯物まとめて干しちゃうねー」
「あぁ、すまないな。よろしく頼む」
「龍ちゃん今のうちにお酒買ってきちゃいなよ」
「そうするよ」
「行ってらしゃーい」
「行ってくる」

そう言って歩き出した龍ちゃんの横を勇君が走って此方に来た。

「うわーん!!ー!!斉藤と永倉がー!!怖いよー!!」
「えっ!!何!?何かあったの?」
「怖いー!!」

状況を飲みこめないまま、勇君が走ってきた方向に向かってみる。

「たしか…あっちは玄関だよね?」
「あぁ…そのはずだが…。何があったんだ!?」

向かってみるとそこには血まみれの一君と新八さんがいた。

「!?」
「ど、どうしたんだよ!?」
「不逞浪士と斬り合いになった際のものだ」
「怪我は…怪我はしてない!?」
「あぁ!これは返り血だからな」
「俺たちはとりあえずこの血を洗い流してくる。副長への報告はそのあとにする。」
「う…うん」
「じゃ、行ってくるな」

見送ると何処からか総司が現れた。

「あーあ。新八さんと一君はもう人を斬ったんだー。いいなー」
「お、沖田!!なんてこと言うんだ!不謹慎じゃないか!」
「だって本当のことでしょ。…僕たちは不逞浪士を斬るためにここに来たんだから」
「なっ…!」

私は何も言えなかった。

確かにそうだ。
京の街を不逞浪士から守るってことは不逞浪士を斬ることなんだ…。
これから先、この壬生浪士組が名を挙げていけば皆の刀が血に塗れることになるんだ.…。
…平助の刀も。

もう試衛館にいたころみたいに皆で楽しく馬鹿騒ぎするだけなんて無理なんだって実感した。

私も覚悟を決めなくちゃ…!

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