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いつもと同じ日常。
私は屯所の庭を掃除していた。

門の方が何だか騒がしい。
何かあったのかと思い、顔をのぞかせると巡察に行った8番組の隊士の皆さんが誰かをかばいながら屯所に入っていったところで、1人の隊士の人と目が合った。
その人は少し考えてから私に

「たしか君は…君…と言ったね。悪いが藤堂組長が巡察中に傷を負ってしまった。
手当を頼めないか?」

「はい!すぐに用意します!」

“我々は組長を部屋へと連れて行っておく”と言って隊士の皆さんは中に入っていった。

すぐに救急箱の用意をして平助君の屋へ向かうと隊士の皆さんは戻られた後のようだ。

「平助君!大丈夫?」
「あ、!大丈夫だよ。こんなのかすり傷だし。」
「すぐに手当てするね」
「あぁ。悪いな」

「よかった…傷はそんなに深くないみたい。」
「そっか。ありがとな!」
「どういたしまして。それよりどうしたの?怪我するなんて珍しいし…。」

私がそう聞くと、平助君はいいにくそうに話してくれた。

巡察中に小さい女の子が、不逞浪士に因縁をつけられていて、止めに入ったらいきなり刀を抜いたので応戦しようとした。
不逞浪士は平助君ではなく女の子に斬りかかろうとしたため、とっさに庇ったら、腕を斬られてしまったようだ。

結局その不逞浪士は屯所に連れてきたし、女の子も無事だったという。

「そうだったんだ。」
「情けないよなー。不逞浪士に斬られちまうなんてさ。」
「ううん。そんなことないよ!すごくかっこいいと思う!」
「そうか?」
「うん!庇ってできた傷だもん!情けなくないよ」
「そっか。ありがとな。にそう言われてなんか気分良くなった」
「でもあんまりケガはしないでね。心配だから…」
「おう!わかってるって!」

いつもの明るい笑顔で笑ってくれた平助君。



――――――

『でも、と二人っきりになれてちょっとラッキーとか思ってるんだよな。俺。
これこそケガの功名ってやつかな。』


彼がそう思っていたことを知るのはまだ先のお話…

――END――

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≪ 雨の日 また会う日まで ≫
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