女隊士/公認恋仲/悲恋/死ネタ
油の小路にて新選組と御陵衛士、薩摩藩は激しくぶつかり合っていた。
俺は御陵衛士としてここにいた。
左之さんに新八っつぁん、千鶴もここいる。
きっともここにいるはずだ。
を探しながら俺は敵を斬り伏せていた。
あっ!!!
見つけた…
互いに想いあっていながらも立場の問題でずっと会えなかった愛しい恋人、。
あいつと交わした最後のやりとりは今も鮮明に覚えている。
* * *
「本当に行くんだね…」
「あぁ。…んな顔すんなって!にそんな顔されたら行けなくなる」
「私は…行ってほしくない」
「でも、これは俺が悩みぬいて決めたことだから」
「わかってる。どうしても行くんでしょ?平助君は1回決めたら曲げないからなぁ。でも、私にも1回くらい相談してほしかったなぁ」
は寂しそうに、笑った。
「ごめん…」
「ふふっ、謝らないで。いいの、平助君が決めたことだもん。私はそれを応援するよ」
「ありがとな。お前はやっぱり俺の選んだだよ。お前は俺の誇りだ。」
「私の誇りは平助君だよ」
名前はさっきよりも柔らかく、いつもの笑顔を見せてくれた。俺はこの笑顔が見たかったんだ。太陽みたいに、俺の行く道を照らしてくれる、この顔に。
俺は思わずを抱きしめた。
名前の体は一瞬強張ったがすぐに俺の背中に腕を回してくれた。
「俺は離れても忘れない。の幸せを願ってる。」
「私だって忘れない。平助君の幸せを願ってる。いつかまた会いたい」
「俺も…。いつか会えたその時はお前と結ばれたい。を俺の嫁にしたい。」
「私も…平助君のお嫁さんになりたい」
俺たちは体を離した。
「じゃあ行くな。」
「行ってらっしゃい!気を付けてね。待ってるから…」
「あぁ!!も体には気をつけろよ!」
* * *
俺たちはそうして別れた。
きっと二人ともこうして俺たちが敵として刀が交わることになるのをどこかで感じていた。
あの約束は果たされるのだろうか…
いや、必ず果たしてやる。
俺はのそばに寄った。
一瞬目が合った。久しぶりに見るは遠目じゃわからなかったがどこか痩せていた。
俺たちはお互いをかばうように、背中を合わせて戦っていた。
俺たちは順調に戦っていたが数が多すぎた。
鍔迫り合いをしている中、1人の浪士が俺に斬りかかってきた。
間合いを取りきれず、もうダメだと思い、思わず目をつぶってしまった。
ブシャッ!!
…痛みはない。どこも斬られていない。
目を開けると名前がいた。
血だらけだった。
俺のことをかばったんだ。
すぐに理解できた。
「!!!!」
俺は大声でを抱きかかえて呼んだ。
もともと白いも肌が青白くなっていく。
血を必死に止めようとするが傷は深く大きかった。
「!!!!」
俺はを呼び続けた。
「!!」
「へ…すけ…くん、会えた…ね…。」
「あぁ!!せっかく会えたんだから、起きろよ!!」
「ちょっ…と、そ…れはムリ…かも…」
は弱々しく笑った。
「わ…たし、もう…逝く…けど、へ…すけくんは、ゆっくり生き…てね」
「逝くなんて言うな!!」
は微笑みながら言った。
「へ…すけくんは、慌て…ぼうだか…ら」
「泣かないで…笑って…?わ…たし、さいごに…守れて、幸せだったから…」
俺は泣いていた。優しく俺の涙をぬぐい“笑って”と言ったに笑いかけた。
は微笑みながら逝った。
俺はその後結局そこでは生き残れなかった。
に助けてもらった命なのに…。
変若水を飲んで羅刹として生き長らえ必死に生きた。
に言われた言葉を守るために…。
(、聞こえるか?俺はまだ生きるよ。お前の分も…ゆっくり、さ。)
――END――
俺は御陵衛士としてここにいた。
左之さんに新八っつぁん、千鶴もここいる。
きっともここにいるはずだ。
を探しながら俺は敵を斬り伏せていた。
あっ!!!
見つけた…
互いに想いあっていながらも立場の問題でずっと会えなかった愛しい恋人、。
あいつと交わした最後のやりとりは今も鮮明に覚えている。
* * *
「本当に行くんだね…」
「あぁ。…んな顔すんなって!にそんな顔されたら行けなくなる」
「私は…行ってほしくない」
「でも、これは俺が悩みぬいて決めたことだから」
「わかってる。どうしても行くんでしょ?平助君は1回決めたら曲げないからなぁ。でも、私にも1回くらい相談してほしかったなぁ」
は寂しそうに、笑った。
「ごめん…」
「ふふっ、謝らないで。いいの、平助君が決めたことだもん。私はそれを応援するよ」
「ありがとな。お前はやっぱり俺の選んだだよ。お前は俺の誇りだ。」
「私の誇りは平助君だよ」
名前はさっきよりも柔らかく、いつもの笑顔を見せてくれた。俺はこの笑顔が見たかったんだ。太陽みたいに、俺の行く道を照らしてくれる、この顔に。
俺は思わずを抱きしめた。
名前の体は一瞬強張ったがすぐに俺の背中に腕を回してくれた。
「俺は離れても忘れない。の幸せを願ってる。」
「私だって忘れない。平助君の幸せを願ってる。いつかまた会いたい」
「俺も…。いつか会えたその時はお前と結ばれたい。を俺の嫁にしたい。」
「私も…平助君のお嫁さんになりたい」
俺たちは体を離した。
「じゃあ行くな。」
「行ってらっしゃい!気を付けてね。待ってるから…」
「あぁ!!も体には気をつけろよ!」
* * *
俺たちはそうして別れた。
きっと二人ともこうして俺たちが敵として刀が交わることになるのをどこかで感じていた。
あの約束は果たされるのだろうか…
いや、必ず果たしてやる。
俺はのそばに寄った。
一瞬目が合った。久しぶりに見るは遠目じゃわからなかったがどこか痩せていた。
俺たちはお互いをかばうように、背中を合わせて戦っていた。
俺たちは順調に戦っていたが数が多すぎた。
鍔迫り合いをしている中、1人の浪士が俺に斬りかかってきた。
間合いを取りきれず、もうダメだと思い、思わず目をつぶってしまった。
ブシャッ!!
…痛みはない。どこも斬られていない。
目を開けると名前がいた。
血だらけだった。
俺のことをかばったんだ。
すぐに理解できた。
「!!!!」
俺は大声でを抱きかかえて呼んだ。
もともと白いも肌が青白くなっていく。
血を必死に止めようとするが傷は深く大きかった。
「!!!!」
俺はを呼び続けた。
「!!」
「へ…すけ…くん、会えた…ね…。」
「あぁ!!せっかく会えたんだから、起きろよ!!」
「ちょっ…と、そ…れはムリ…かも…」
は弱々しく笑った。
「わ…たし、もう…逝く…けど、へ…すけくんは、ゆっくり生き…てね」
「逝くなんて言うな!!」
は微笑みながら言った。
「へ…すけくんは、慌て…ぼうだか…ら」
「泣かないで…笑って…?わ…たし、さいごに…守れて、幸せだったから…」
俺は泣いていた。優しく俺の涙をぬぐい“笑って”と言ったに笑いかけた。
は微笑みながら逝った。
俺はその後結局そこでは生き残れなかった。
に助けてもらった命なのに…。
変若水を飲んで羅刹として生き長らえ必死に生きた。
に言われた言葉を守るために…。
(、聞こえるか?俺はまだ生きるよ。お前の分も…ゆっくり、さ。)
――END――
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2012/08/25
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