学パロ/切甘
≪前世:壬生浪士組時代からの女隊士※記憶無し※≫
物心ついたころからずっと見る夢…。
顔は見えないけどすごく懐かしくて愛おしい人との会話。
あの人は…誰?
優しい声で名前を呼んでくれるあの人は…?
「、俺はずっと傍にいるよ。…だから泣くな。笑ってくれ…。絶対来世でもお前を探し出すから。それまでちょっと眠るだけだから。」
「うんっ…!......くん、また会えるよね?」
「あぁ。約束だ。」
彼はいつもそう言うと灰になってしまう。
なんでだろう…。いつも目が覚めると泣いている。
******
私は高校生になった。
「薄桜高校」それが私の春から通う高校。
桜の舞い散る中で息を吸い込んで、期待に胸を膨らませながら校門をくぐった。
玄関では入学生に風紀員と書かれた腕章を付けた人が花とクラス表を配っていた。
「入学おめd…」
私を見ると固まってしまった。
「あの…?」
「……っ!!」
「えっ?なんで私の名前…?」
「覚えてないのか…?」
「え…?」
その人は一瞬悲しそうな、辛そうな顔をした。
そしてクラス表を手渡した。
「取り乱してすまない。俺は2年の斉藤だ。なにかわからないことがあれば聞きに来い。」
「…斉藤?」
「どうした?」
「すみません!なんでもないです。ありがとうございます!
私は斉藤先輩に別れを告げて自分のクラスへと歩き出した。
******
「えっと…、私は1組か…。」
斉藤という苗字と先輩の顔に何か感じながら私は教室のドアを開けて中に入った。
すると、中にいた二人の人が私に駆け寄ってきた。
「ちゃん!!久しぶり!!」
「!やっと会えた…。探してたんだ…!」
「え…?あなた達は誰…?」
「「え…?」」
「名前ちゃん…覚えてないの?」
「あの、初対面……ですよね?」
そう言うと二人は先ほどの斉藤先輩と同じように悲しそうな、辛そうな顔をしてしまった。
男の子の方に関しては痛々しいほどだ。
なんだかその顔を見ると胸が苦しくなる。
「えっと…?」
あ、あの!これから同じクラスになるし、よろしくね!!」
「え…あ!うん、こちらこそ!」
「私、雪村千鶴です!」
「あ、です。よろしくね!」
それからしばらく千鶴ちゃんとの会話は続いた。
その間も男の子は黙ったまま立ち尽くしていた。
「ほーら、席着けー」
赤髪の先生が教室に入ってきた。
私たちは席に着いた。
「これから入学式だからな、廊下に並べよー」
そう言うと皆が廊下に並びだした。
千鶴ちゃんと男の子とその先生がなにやら話していた。
千鶴ちゃんは泣きそうだ、
なにかあったのだろうか…。
******
入学式も無事に終わり、帰宅となった。
「、ちょっといいか?職員室に来てもらいてぇんだが…」
「はい」
「お前らも来てくれ」
千鶴ちゃんと男の子も呼んで私たちは職員室へと向かった。
「連れてきたぜ」
「あぁ…。しかし本当にか?」
「あぁ。千鶴の話だとな。…平助は痛々しいぜ」
「まぁ…そうだろうな」
何やら先生同士で会話をしている間、私は沖田総司という先輩に絡まれていた。
「ちゃん、本当に何も知らないの?僕のことも?平助やみんなのことも?」
「知らないです…」
「総司、その辺にしておけ」
「斉藤先輩!!」
「だってさ、一人だけ知らないっておかしいじゃない」
「仕方がないのだ。記憶は必ずしも持っているものではない」
「記憶…?」
「それに…無理に思い出させるのは酷だ…」
皆の会話についていけないまま私たちは解散した。
家が近かったので一緒に登下校する約束もできた。
彼ー…藤堂君はどうしたんだろう…?
あんな切ない顔を見ているとつい、駆け寄りたくなってしまう。
初めて会ったはずなのになんだか懐かしい。
おかしな感覚が心を埋め尽くしていた。
そんな感じで私の高校生活1日目は終わった。
この時の私は時の歯車がまたゆっくりと動き出したことに気づかないでいた。
→あなたとの想い出(2)
物心ついたころからずっと見る夢…。
顔は見えないけどすごく懐かしくて愛おしい人との会話。
あの人は…誰?
優しい声で名前を呼んでくれるあの人は…?
「、俺はずっと傍にいるよ。…だから泣くな。笑ってくれ…。絶対来世でもお前を探し出すから。それまでちょっと眠るだけだから。」
「うんっ…!......くん、また会えるよね?」
「あぁ。約束だ。」
彼はいつもそう言うと灰になってしまう。
なんでだろう…。いつも目が覚めると泣いている。
******
私は高校生になった。
「薄桜高校」それが私の春から通う高校。
桜の舞い散る中で息を吸い込んで、期待に胸を膨らませながら校門をくぐった。
玄関では入学生に風紀員と書かれた腕章を付けた人が花とクラス表を配っていた。
「入学おめd…」
私を見ると固まってしまった。
「あの…?」
「……っ!!」
「えっ?なんで私の名前…?」
「覚えてないのか…?」
「え…?」
その人は一瞬悲しそうな、辛そうな顔をした。
そしてクラス表を手渡した。
「取り乱してすまない。俺は2年の斉藤だ。なにかわからないことがあれば聞きに来い。」
「…斉藤?」
「どうした?」
「すみません!なんでもないです。ありがとうございます!
私は斉藤先輩に別れを告げて自分のクラスへと歩き出した。
******
「えっと…、私は1組か…。」
斉藤という苗字と先輩の顔に何か感じながら私は教室のドアを開けて中に入った。
すると、中にいた二人の人が私に駆け寄ってきた。
「ちゃん!!久しぶり!!」
「!やっと会えた…。探してたんだ…!」
「え…?あなた達は誰…?」
「「え…?」」
「名前ちゃん…覚えてないの?」
「あの、初対面……ですよね?」
そう言うと二人は先ほどの斉藤先輩と同じように悲しそうな、辛そうな顔をしてしまった。
男の子の方に関しては痛々しいほどだ。
なんだかその顔を見ると胸が苦しくなる。
「えっと…?」
あ、あの!これから同じクラスになるし、よろしくね!!」
「え…あ!うん、こちらこそ!」
「私、雪村千鶴です!」
「あ、です。よろしくね!」
それからしばらく千鶴ちゃんとの会話は続いた。
その間も男の子は黙ったまま立ち尽くしていた。
「ほーら、席着けー」
赤髪の先生が教室に入ってきた。
私たちは席に着いた。
「これから入学式だからな、廊下に並べよー」
そう言うと皆が廊下に並びだした。
千鶴ちゃんと男の子とその先生がなにやら話していた。
千鶴ちゃんは泣きそうだ、
なにかあったのだろうか…。
******
入学式も無事に終わり、帰宅となった。
「、ちょっといいか?職員室に来てもらいてぇんだが…」
「はい」
「お前らも来てくれ」
千鶴ちゃんと男の子も呼んで私たちは職員室へと向かった。
「連れてきたぜ」
「あぁ…。しかし本当にか?」
「あぁ。千鶴の話だとな。…平助は痛々しいぜ」
「まぁ…そうだろうな」
何やら先生同士で会話をしている間、私は沖田総司という先輩に絡まれていた。
「ちゃん、本当に何も知らないの?僕のことも?平助やみんなのことも?」
「知らないです…」
「総司、その辺にしておけ」
「斉藤先輩!!」
「だってさ、一人だけ知らないっておかしいじゃない」
「仕方がないのだ。記憶は必ずしも持っているものではない」
「記憶…?」
「それに…無理に思い出させるのは酷だ…」
皆の会話についていけないまま私たちは解散した。
家が近かったので一緒に登下校する約束もできた。
彼ー…藤堂君はどうしたんだろう…?
あんな切ない顔を見ているとつい、駆け寄りたくなってしまう。
初めて会ったはずなのになんだか懐かしい。
おかしな感覚が心を埋め尽くしていた。
そんな感じで私の高校生活1日目は終わった。
この時の私は時の歯車がまたゆっくりと動き出したことに気づかないでいた。
→あなたとの想い出(2)
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2012/08/26
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