学パロ/切甘
~平助side~
を保健室に連れて行き、ベットに寝かせた。
うなされているの手をずっと握りしめていた。
「ん……」
「、大丈夫か?」
「平…助くん?」
不安そうに俺を見つめる。
俺はそんなの手を握りしめた。
「あぁ、そうだよ」
「あの人は…?私のこと探してくれるって…」
「え?」
今…なんて言った?
が言ったこと、俺が前世で死ぬ前に言ったことだ…。
まさか…!
「私のことまた探し出すって…幸せにしてくれるって…あの人はどこ?」
やっぱり…。俺の言ったことだ。
は記憶が戻りかけている。
きっと…俺のことも思い出す途中なんだろう。
「……俺だよ。お前のことを探していた。探していたんだ……!」
「…いや…違う!!違う!!あの人はどこ!!」
「俺だよ!」
「いやぁぁぁぁぁ!!」
はパニックになってまた意識を失ってしまった。
でも、確実には前世の記憶を取り戻しかけている。
あのころの記憶を…儚いけど、幸せだった、穏やかなあのころの記憶を…。
俺はの手を握りしめながら名前がまた目を覚ますのを待ち続けた。
~平助side END~
「、、大丈夫か?」
「……」
「うなされてたけど大丈夫か?」
「……」
「?」
「…誰?」
「は?どうしたんだよ。俺だよ、藤堂 平助」
「平…助くん?」
「そうだよ。本当にどうしたんだよ、大丈夫か?」
「ん…」
「寝ぼけてるんじゃないのか?」
「ん…そうかな?」
長い夢を見ていた気がする。
とても大事なことを思い出すために…。
何を思い出したいんだろう。
この場所は時間がゆっくりと流れている。
時の流れさえも忘れそうになるほど…。
もし…平助君がいなくなったら…。
そんなこと考えたくないけど、いなくなってしまったら…。
途方もない時間を、私が一人で過ごすの?
「平助君…」
耐え切れなくなって私は平助君の着物の端をつかんだ。
「どうした?」
「いなくならないよね?」
「あぁ…。俺はお前のそばにずっといるよ。…ほら、もう一度寝ようぜ。まだきっと眠いんだよ」
「うん。おやすみ」
「あぁ、おやすみ」
私は平助君と手をつなぎながら眠った。
平助君の手の温もりが私を深い眠りへと誘い込んで行った。
そして私はまた暗闇の中にいた。
「…!…!」
私を呼ぶ愛しい声が聞こえた。
あぁ…そうか。
あの人だったんだ、私が探していたのは。
あの頃からずっと傍にいてくれたんだ。
探してくれた、見つけてくれたんだ。
平助君…!!
私は声のする方を振り返った。
そこには一筋の光が見えた。
そこに向かって一直線に走る私。
次こそはあの人が最後まで幸せにしてくれることを祈って…。
目が覚めると視界いっぱいに心配そうな顔をした平助君がいた。
「平助君…」
「大丈夫か?」
「大丈夫。思い出したの…私」
「…!!」
「ずっと夢のなかにいたのは平助君だったんだね」
「…!」
平助君は私を抱きしめながら話し始めた。
「ずっと後悔してた。あの場所でが泣いているのを見てずっと…!なんで最後まで添い遂げられなかったのかって…!」
「うん…」
「泣いているときだって涙を拭きたいのに触れなくて泣かせる原因が俺だって…悔しかった」
「うん…うん…」
そこまで言うと、平助君は私の涙を拭いながら向き直った。
「、今度こそ幸せにするから。最後まで添い遂げるからもう一度俺のものになってください!」
「…はい!!」
私たちは抱き合うと唇を重ねた。
触れあえなかった分、離れ離れになっていた分、その隙間を埋めるように何度も唇を重ねた。
「みんなの所に行こうぜ!が記憶戻ったこと知らせなきゃ!」
「うん!」
これからの私たちにはたくさんの辛いことも待っているだろう。
でもきっと二人なら乗り越えて行ける。
そうやって前世でも愛し合えただから。
足りないところを補い合う、そうやって平助君の傍らで生きていこう。
私はまた会えた愛しい人の手を握りながらそう心に誓った。
――END――
を保健室に連れて行き、ベットに寝かせた。
うなされているの手をずっと握りしめていた。
「ん……」
「、大丈夫か?」
「平…助くん?」
不安そうに俺を見つめる。
俺はそんなの手を握りしめた。
「あぁ、そうだよ」
「あの人は…?私のこと探してくれるって…」
「え?」
今…なんて言った?
が言ったこと、俺が前世で死ぬ前に言ったことだ…。
まさか…!
「私のことまた探し出すって…幸せにしてくれるって…あの人はどこ?」
やっぱり…。俺の言ったことだ。
は記憶が戻りかけている。
きっと…俺のことも思い出す途中なんだろう。
「……俺だよ。お前のことを探していた。探していたんだ……!」
「…いや…違う!!違う!!あの人はどこ!!」
「俺だよ!」
「いやぁぁぁぁぁ!!」
はパニックになってまた意識を失ってしまった。
でも、確実には前世の記憶を取り戻しかけている。
あのころの記憶を…儚いけど、幸せだった、穏やかなあのころの記憶を…。
俺はの手を握りしめながら名前がまた目を覚ますのを待ち続けた。
~平助side END~
「、、大丈夫か?」
「……」
「うなされてたけど大丈夫か?」
「……」
「?」
「…誰?」
「は?どうしたんだよ。俺だよ、藤堂 平助」
「平…助くん?」
「そうだよ。本当にどうしたんだよ、大丈夫か?」
「ん…」
「寝ぼけてるんじゃないのか?」
「ん…そうかな?」
長い夢を見ていた気がする。
とても大事なことを思い出すために…。
何を思い出したいんだろう。
この場所は時間がゆっくりと流れている。
時の流れさえも忘れそうになるほど…。
もし…平助君がいなくなったら…。
そんなこと考えたくないけど、いなくなってしまったら…。
途方もない時間を、私が一人で過ごすの?
「平助君…」
耐え切れなくなって私は平助君の着物の端をつかんだ。
「どうした?」
「いなくならないよね?」
「あぁ…。俺はお前のそばにずっといるよ。…ほら、もう一度寝ようぜ。まだきっと眠いんだよ」
「うん。おやすみ」
「あぁ、おやすみ」
私は平助君と手をつなぎながら眠った。
平助君の手の温もりが私を深い眠りへと誘い込んで行った。
そして私はまた暗闇の中にいた。
「…!…!」
私を呼ぶ愛しい声が聞こえた。
あぁ…そうか。
あの人だったんだ、私が探していたのは。
あの頃からずっと傍にいてくれたんだ。
探してくれた、見つけてくれたんだ。
平助君…!!
私は声のする方を振り返った。
そこには一筋の光が見えた。
そこに向かって一直線に走る私。
次こそはあの人が最後まで幸せにしてくれることを祈って…。
目が覚めると視界いっぱいに心配そうな顔をした平助君がいた。
「平助君…」
「大丈夫か?」
「大丈夫。思い出したの…私」
「…!!」
「ずっと夢のなかにいたのは平助君だったんだね」
「…!」
平助君は私を抱きしめながら話し始めた。
「ずっと後悔してた。あの場所でが泣いているのを見てずっと…!なんで最後まで添い遂げられなかったのかって…!」
「うん…」
「泣いているときだって涙を拭きたいのに触れなくて泣かせる原因が俺だって…悔しかった」
「うん…うん…」
そこまで言うと、平助君は私の涙を拭いながら向き直った。
「、今度こそ幸せにするから。最後まで添い遂げるからもう一度俺のものになってください!」
「…はい!!」
私たちは抱き合うと唇を重ねた。
触れあえなかった分、離れ離れになっていた分、その隙間を埋めるように何度も唇を重ねた。
「みんなの所に行こうぜ!が記憶戻ったこと知らせなきゃ!」
「うん!」
これからの私たちにはたくさんの辛いことも待っているだろう。
でもきっと二人なら乗り越えて行ける。
そうやって前世でも愛し合えただから。
足りないところを補い合う、そうやって平助君の傍らで生きていこう。
私はまた会えた愛しい人の手を握りながらそう心に誓った。
――END――
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2012/08/26
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