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悲恋気味/町娘/平助落ち
恋仲になると私は頻繁に屯所に顔を出すようになった。
平助君に“俺の仲間にも名前のことを知っていて欲しい”と言われたから。
人斬り集団とか壬生の狼なんて言われている集団の幹部だから怖い人かと思っていた。

でも、皆平助君のように明るく気さくな人が多かった。


幸せだった。
何もかもが満ち足りていて。
将来も平助君と約束した。
この時間が永遠に続くことを信じて疑わなかった。

――…でもそんな幸せはいつまでも続かなかった。運命は無情にも歯車を狂わせていった。
彼らは斬り合いの世界で生きる武士なんだから…。

「俺、新選組抜けて御陵衛士になる」

そう告げた平助君。
その顔はとても辛そうでたくさん悩んだことが
窺える。
私に相談を一言もしてくれなかった。
どれだけ一人で悩んだんだろう…。
相談してほしかった…。
そう思うと胸が苦しくなった。

「俺のこと応援してくれるか?…俺についてきてくれないか?」
「もちろん!私はいつだって平助君の味方だよ」

平助君が悩んで決めた結果なら受け止めよう。
そう思った私は精いっぱいの笑顔で答えた。
不安げな顔つきだった平助君はホッとした顔になった。

それから平助君にいつもの明るさはなくなった。
いや、嘘の笑顔を浮かべることが多くなったと言うべきだろう。
笑っていてもどこか遠い目をしている。
尋ねても教えてくれない。

……きっと新選組の皆のことだろう。

考えてしまっているんだろう。
自分が新選組を抜けたことを。

彼は、優しい人だから…。

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≪ 夢にまで見た背中 印象 ≫
薄桜鬼の夢小説を扱っています。 ほのぼの(ギャグ)~悲恋まで
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12/22 企画/クリスマス。
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