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ほのぼの/甘

お題小説
『確かに恋だった』から。
“俺の目の届く範囲にいてくれ”
土方はいつものように部屋にこもって執務に追われていた。

ふと、土方はいつもの時間にお茶を持ってこないを不審に思った。
笑顔でお茶を持ってきてくれるに安らぎを感じていたのだ。

「おい!!!!いねぇのか?」

土方は廊下に出てを大声で呼んでみた…が、何の反応もない。
すると、声を聞きつけてか斉藤が来た。

「副長、を探しているのですか?」
「あぁ。斉藤、お前の居場所を知らねぇか?」
「いえ、知りませんが…。何か用があったんですか?」
「特にねぇが…。茶を持ってこないから、なんとなく気になってな」
「でしたら俺がに会ったら副長の部屋に行くように伝えておきます。」
「あぁ。悪いな、頼んだぞ」

そう言うと土方は部屋に戻った。
部屋に戻ったは良いものの土方はがどこへ行ったのかわからず不安であった。
そのため机の上の仕事に手が付けられずにいた。

彼女はどこか抜けている所があり、危なっかしいのだ。
だが土方はそのことを強く言えずにいる。
その少し抜けている所でさえも可愛いと思うのだから、惚れた弱みとでも言うべきか。

「鬼の副長とまで言われる俺が女一人を仕事もできねぇほど心配するなんてな。」

土方はぽつりと漏らした。


パタパタパタッッ

小気味の良い軽快な足音と共が部屋の前で止まった。
こんな足音で走るのは彼女しかこの屯所内ではいない。

「失礼します!土方さん、です。」
「おぅ、入れ。」

土方の声と共に入ってきた彼女に土方は微笑みを漏らした。

「どこに行ってたんだ?」
「えっと…」

歯切れの悪そうな彼女に土方は先に促した。

「沖田さんと遊びに行ってきました…。お菓子屋に連れて行ってくれるって言ったから一緒に行ってきました。」

土方はがっくりとうなだれた。
遊びに行った奴を探していたのか。屯所内をいくら探してもいないはずだ。

「もうお前は、俺の目の届く範囲にいてくれ」

土方がそう言うと名前は首を傾げながらうなずいた。



―――おまけ―――
「そう言えばお前に俺は外出許可だしてねぇぞ。」
「沖田さんが土方さんが行っていいって言ってたって言ってましたよ。」

土方はの返事にうなだれてしまった。
そして新しく沖田を叱ることを頭の中の予定に入れ込んだ。

彼女に彼の思いが伝わるのはいつになるのだろうか…。




――END――

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12/22 企画/クリスマス。
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