悲恋/死ネタ/人外
俺はと別れてから大急ぎで伊東さんの殺された場所へ向かった。
其処には新選組と御陵衛士、それに薩長の連中まで集まっていて乱戦状態だった。
俺はとりあえず新選組の皆を探した。
…どこだ?
何処に行ったんだ?
……いた!!
其処に駆け寄ると左之さんと新八っつぁん、千鶴がいた。
俺はそれから死に物狂いで戦った。
けど天霧に倒された。
もう死ぬんだって実感できた。
怖くて怖くて、左之さんが俺を抱えて屯所に行こうとしたのがわかった。
でも、助からないって思ったから俺はの待っている山に向かってもらうように頼んだ。
左之さんは渋々ながらもそこに向かってくれた。
「平助!?」
俺が着くとはすぐに何処からともなく現れて駆け寄った。
「……」
「あんたは…?」
俺がに手を伸ばすと左之さんは訝しげにを見た。
「妾のことは後じゃ!お主、早く平助を下ろせ!」
「あっ…ああ」
「だから言ったであろうに…!お主は何故…妾の言うことを聞かぬのだ…」
嗚咽を堪えながらは懸命に治そうとしてくれていた。
でもみるみるがやつれていくのがわかる。
「…もういいから…」
「やめぬ!妾はやめぬぞ!!」
なんとか俺は起き上れるくらいまでに回復した。
でもこの身体も長くは持たないだろう。
「お、おい。…平助」
「左之さん、ありがと。もな」
「そりゃ構わねえが…この姉ちゃんは誰なんだ?」
「それは…「妾から話そう」
俺の言葉を遮りは自らのことを話した。
左之さんは驚きを隠せないみたいだ。
無理もないか…。
左之さんにこっそりと二人きりになると言うと左之さんは気を利かせて去ってくれた。
もう会えなくなるんだよな。
「左之さん…ありがと。」
「んなしおらしいこと言うなって。…じゃあな」
左之さんも気づいたんだろう。
俺がもうじき死ぬことに。
二人で最後に笑いあって別れた。
…もう終わりか。
起き上っているのが辛くて俺は倒れこんだ。
その隣にも倒れこんだ。
「…?」
「ふふ…少し力を使いすぎたようだ…」
「だ…大丈夫なのかよ!?」
「妾は平気じゃ。平助こそ大丈夫か?」
「あぁ…」
俺たちは地面の上で抱きしめあった。
俺はそのまま瞼が重くなりそのまま決して覚めぬであろう眠りについた。
最期の感触はじゃなくて枯葉だったような気がした。
――END――
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2012/10/19
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